汝の敵を愛せよ

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 「違う、俺が欲しいのは──」  「因縁絡むカルボナーラ、生け贄ラムチョップ、エスカルゴ魔方陣、呪術海鮮チャーハン、神の楽園ドタマ割り、お持ち致しましたぁーー」  タイミング良く店員が料理を運んできた。  品名を叫びながら、テーブルの上に料理を並べていく。  ディオンは我に返った。  はっとヨエルに目を遣ると、下北沢と書かれた白いTシャツを着ていた。  勿論、下も脱いでいない。  いつの間に服を着たのか。  「ディオン、どうしたの?また乾杯しよ!」  神の楽園という林檎味のカクテルを差し出され、取り敢えずグラスを合わせる。  「顔が赤いのはライトのせいかな?」  「赤い?」
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