汝の敵を愛せよ

48/64
前へ
/308ページ
次へ
 その辺りは東宝ビル周辺の喧騒とは雰囲気を異にしていた。  人々の顔付きも立ち並ぶ店の怪しさも。  其れ等を照らすネオンの色合いは甘く毒々しい。  ヨエルは淀みを暫く忘れていたが、此処にきて息苦しさを覚えた。  浄化の気を放つ。    「ゴジラの卵は何処にあるの?」  男達に問い掛ける。  「ぷっ!ああ、もうすぐもうすぐ。」  男達がニヤニヤと笑みを交わす。  「少しココが弱いんだろうな。」  右の男が自分の頭を指差して左に囁く。  「いいの拾えたな。見た目は抜群だ。何時ものとこで、たっぷり。」
/308ページ

最初のコメントを投稿しよう!

68人が本棚に入れています
本棚に追加