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男達の貧困な知識の内からダビデ像が浮かび上がった。
「何だコラぁ!ダビデじゃねーんだよ!」
偽りなき神聖さを前にして跪きそうになる本能を恫喝で跳ね除ける。
羞恥心の欠片も無いヨエルの無垢さと聖なる裸体は当に芸術品だ。
だが男達がビデオに収めたいのは芸術ではなく猥褻なのだ。
「そこのマットに寝て足を大きく開け。」
ヨエルは素直に従い、足を左右に開いた。
───
ディオンはヨエルの匂いを追い、花道通りにあるビルの前まで辿り着いた。
アルコールが入っているという自覚が無いのが何よりも問題で、走ったせいで酔いが回っていた。
「此処だ……」
ビルを見上げると、急いで中の階段を壁に激突しながら駆け上がる。
当人は真っ直ぐ進んでいるつもりなのだ。
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