68人が本棚に入れています
本棚に追加
喧騒で汚れた通りを清める陽が昇って行く。
ネオンの光が作り出す夢の世界には馴染む道化た姿も欲望も、太陽に魔法を解かれて本来の弱さを曝け出す。
夜の街に活気を吸いとられた冴えない顔の人々と共に駅に向かった。
「今、何時なんだろう。」
「さあ、俺は何日って方が気になる。昨日が夜の12時までで今は朝だから、1日進んでるんだな。」
ディオンは電車内で大きく欠伸をした。
「眠い……」
「僕も。」
そう言ってヨエルはディオンの肩に頭を乗せて瞼を閉じた。
最初のコメントを投稿しよう!