突然の物騒な単語

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 言いながら教室に戻る。気づかいも男前。実に参考になる。  予想に違わず山下から伝えられたのは文化祭準備の協力要請だった。 「まぁ実行委員には立候補でなってるし、俺ら楽しくてやってるわけだからさ。お前らが参加しなくても別に困るわけじゃないんだけど。でもせっかくのイベントだし、少しでも盛り上げたいわけ。それに——声掛けられるの待ってるグループもいるかなって」  一致団結を強制されないのはありがたい。集団の人数が膨れ上がれば、どうしても少数意見は黙殺される。マイノリティーに含まれがちな僕は、団体行動がそもそもあまり好きじゃないのだ。普段あまり話すことのない山下だが、いい奴だなと思った。 「うん、大丈夫。協力するよ。余程の無茶振りじゃなければみんな働くと思うよ」 「従順に?」 「アリみたいにね」顔を見合わせて互いににやりと笑う。 「なんだおい、案外協力的だな!」山下が破顔して背中を叩いてくる。 「あはははは……案外?」
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