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「……おはよ」
中野君は素っ気ない返事をし、廊下に出ていってしまった。
私、やっぱり嫌われているのかな__。私の頭の中は再びモヤモヤとして来る。そしてまた、優しかった頃の彼を思い出す。
あの頃の関係に戻すのは難しいのかな……。でも、私の事が嫌いならはっきりと言ってほしい。だから、中野君に直接聞いてみよう。例え嫌われていても、聞かないでこの先モヤモヤしているよりずっとマシな気がする。
そうと決めた私は、廊下に出て中野君の姿を探した。朝の会まではあと十五分ほどあるので、直ぐに中野君を見つければチャイムがなる前にきっと本当の事を聞ける。
早歩きで廊下を見回すと、そこには一組側のトイレの窓際でぼんやりとしている中野君を見つけた。
私は思い切って中野君に尋ねてみる。
「……中野君。私、貴方に冷たくされている気がするんだよね。私の気のせいかも知れないけど……。でも、これ以上モヤモヤしているのは嫌だから、私の事嫌いなのかどうかを言ってほしい」
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