side 暉 28歳 5月

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**  翌日、約一ヶ月ぶりのプールに来た。 毎週通っていたからすごく久々な気がする。 プール独特の塩素の匂いが嬉しい。  受付にシオリちゃんの姿はなく、だよな、日曜日は休みのはずだと納得する。  でもあれ? 監視員の人達が着る山吹色のTシャツを着た、知らない若い男性がいる。 「こんにちはー」 「……こんにちは」  いつもなら、特に気にしない。 新しい見かけない顔だな、と思うくらい。 咲田さんのように、初対面の人にスラスラと話しかける程社交的でもないし。 けれどどうしても気になって、声をかけた。 「新しいアルバイトの方ですか?」 「はい、そうです。先週からお世話になっています」 「……そうですか」   なんとなく、いやな予感がする。  日曜は休みだと知りながら聞いてみる。 「いつも受付にいる槙野さん、今日は?」 「あ、槙野さんがここの仕事を辞めるので、僕その代わりなんですよ」  は……? 「──辞める?」 「はい、先週いっぱいで辞めましたけど」 「なんで?」 「さあ、詳しくは知りませんけど忙しくなるみたいで、プールには来られないそうです」 「……」 「……あの、どうかしました? 今日、今、泳ぎに来ていますよ? 本人に聞いてみたらいいんじゃないですか?」  驚きで動きが止まった俺を不思議そうに見ながら、その若い彼が首を傾げた。
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