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更衣室に入りふと考える。
シオリちゃん……シオちゃん、ねぇ。
〝恋愛物の短編を一つ、まとめなければならない〟
そんな事で頭を悩ませていた時期だったから、つい考えてしまったんだ。
シオリちゃんみたいな子を主人公にするとしたら、相手はどんな奴がいいか、などと。
この間適当に話した設定では、“少し年上の空手家の嫉妬深い彼〟だったけど、同年代の男より上が合いそうだな。一回りくらい上とか。落ち着いて見えるからかな……。
「……」
インスピレーションが湧く。
なにかが落ちてきたような感覚。
ただの妄想。いやちょっと怖い。
だけど決して下心がある訳じゃないから許してほしい。モデルにしようというつもりはなく、ただのきっかけにすぎない。
小説を描く作業が無ければ、そんな目で見ることはなかったと思う。
なぜと聞かれれば、書いたこともない恋愛小説を書く羽目になり、苦し紛れにそうなったとしか言えない。
会えば自然に彼女のことを、観察するようになった。
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