side 暉 27歳 1月

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**  年が明け、俺の実家のリビングで、両親と俺たち夫婦の四人で、談笑しながら過ごしていた。何となくつけたテレビを観ていると、出産シーンから始まる子育て特集のようなものがずっと流れていて、俺だけなのか、何となく居心地が悪い。 なんか別のチャンネル……、駅伝とか……、 「可愛いですねえ、赤ちゃん」  その話題に触れたのが文緒さんだった事に少し驚いた。 「あなた達のところにも、そのうちやってきてくれるのかな?」  母がそんな風に〝子ども〟の話題に触れることはない。  俺には姉が一人いて、姉夫婦のところには子どもが二人、つまり両親にとっての孫は二人おり、時々孫対応で忙しそうだし、俺たちには期待していないだろうと思っていた。 「そうなんですよね……私もいい歳ですし、来てくれるといいんですけれど」  ん? 何言ってるの、文緒さん……?  それからしばらく、母と文緒さんはそんな話題で盛り上がっていたけれど、俺は呆気に取られ、ただぼんやりと他人事の様にそれを聞いていた。 * 「いやごめん。あの場では合わせるでしょ」  ですよね。 あまり考えた事ありませんとは言い辛い。
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