2人が本棚に入れています
本棚に追加
ホラー小説家、『茂良』。
苗字だけのシンプルなペンネームとは裏腹に、ドロドロと酷くへばりつくような濃厚なホラーは非常にグロテスクで、新人と揶揄されながらも多くの人気を呼んでいた。
その素顔を見た事があるのは編集長と彼の担当の編集者だけ。
全くメディアに顔を出さず、本当に存在しているのかさえ定かになっていない。
実は彼は幽霊で、実体験を書いては送り続けており、本にすることで成仏しようとしてるのではないのだろうか。
そんな根も葉もない噂も流れていた。
噂といえばもう一つ、こちらも突拍子もない摩訶不思議な噂がある。
漫画の影響かアニメの影響か、年端も行かぬ子が作ったのか、どちらにせよ茂良にははた迷惑な噂なのだが。
『不可思議で不気味な悩み事を、ファンレターとして茂良に出すと解決してくれる』
……そんな噂が、まことしやかに世界中に広がっていた。
( ・∀・)
( ・∀・)「まぁ、本当のことなんだけどさ」
筆と便りは使いようのようです。
最初のコメントを投稿しよう!