フライングマイライフ!のようです。

2/2
前へ
/18ページ
次へ
昔昔ある所に……と言うほど昔ではなく、 舞台も自然豊かというよりはどちらかといえばコンクリートジャングルな現代社会に、くたびれた男性が一人居ました。 妻子もおらず金もなく、あるのは社宅の一室と僅かな金とパワハラだらけの仕事だけ。 何度辞表を書いては出す勇気がなく、捨てて行ったでしょうか。 遂に彼の口癖は (#‘_L’)「こんな仕事何時か辞めてやらぁ!」 になりました。 さて、そんな彼は今日も仕事に行きます。 重たい足を引き摺って、目指すはコンクリートジャングルの中にあるビルの一室です。 (#‘_L’)イキタクネェイキタクネェイキタクネェイキタクネェ 呪文のように繰り返しますが行かない訳にも行きません。 なぜなら働かないとお金が無くなるから。 生きるためには仕方がありません。 自動ドアを開き、エレベーターを使って、閑散とした廊下をいつもの通り歩きます。 ただ普段と違うのは、やけに静かなことくらい。 (‘_L’)(……何だ?また部長が夫婦喧嘩でもして不機嫌なのか?) (#‘_L’)(……すっげぇ迷惑) 少し短気な彼はそれすら癪に障るよう。 苛立ちを抑えるために強めに扉を開いて――― (‘_L’)つ (;‘_L’)「…………あ?」 中の惨劇に、息を飲みました。 壁や床に飛び散る赤いものは、絵の具やペンキではない様子。 何より生臭いその匂いが何よりの証拠でした。 (; _L )「う゛ぇ……」 堪らずえずき、床に座り込む彼。 「―――お?」 その声に反応したように、部屋の中から呑気な声が響きました。 真っ黒な服に、真っ黒なマント。少し青白い顔が更に非現実的で。 背に大きい棺桶を背負っているその男は、楽しげに目を向けました。 【+  】ゞ゚)「ハロー、ゴチになってまーす」 (;‘_L’)「かっっっっっる!!!!」 フライングマイライフ!のようです。
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2人が本棚に入れています
本棚に追加