クリスマス・イブの夜に

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『柚葉…』 樹さんが私を見つめた。 『いろいろ、今は気持ちが定まらないかも知れない。でも…お前の気持ちが少しでも前に向けるように…』 そう言って、1度目をそらせて下を向いた。 そして、また私を見て… 樹さんは、ゆっくりと言葉を続けた。 『俺は、柚葉を…支えたい。守りたいんだ。今だけじゃなく、これから先もずっと』 樹さんが、精一杯、言葉をつむぎ出す… 綺麗で優しくて温かいそのセリフに胸がいっぱいになる。 『俺、柚葉が好きだ』 樹さんは、花束を抱えたままの私を抱きしめた。 『樹さん…』 その腕に、ギュッと力がこもる。 『柚葉と一緒にいたい。お前の笑顔を…すぐ隣りで毎日見ていたい…』 少し震えるような声で囁かれ、私は全身の力が抜けていくのを感じた。 樹さんが支えてくれてるから、かろうじて立っていられてる… そして、瞳から涙が流れた。 『…すぐに答えはいらない。柚葉の気持ちが落ち着くまで、いつまででも待つ。いつまででも…ただ俺の誘いは断るな』 『強引です…』 樹さんは優しく微笑んだ。 その笑顔、とても愛おしく感じる。
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