923人が本棚に入れています
本棚に追加
『柚葉。今日から俺のこと樹って呼んで。あと敬語はいらない』
『そ、そんなの無理です』
『じゃあ、花束返してくれ』
『え!ちょ、ちょっと待って下さい』
『だったら…樹って呼んで』
そんな風に見つめられ、甘い声で言われたら…
『…い…樹…』
って、つい言ってしまうよ…
『それでいい。俺には敬語は使うな。使ったら罰金な』
『えっ、そんな、罰金とか無しですよ』
『はい、罰金』
そんな、私達2人だけの時間。
笑顔がいっぱいの幸せな時間。
私、樹さんに告白されたんだ…
信じられないよ。
樹さんが私を好きだなんて、信じられるわけない。
だけど…
やっぱり嬉しかった。
柊君への気持ちはまだまだ消えない。
いつ忘れられるのかもわからない。
樹さんは、いつまでも待つって言ってくれたけど…
でも私の気持ちは?
私、樹さんのことどう思ってるんだろう?
愛情?恋心?友情…
それとも感謝してるだけ?
それも今はまだ正直わからなかった。
夜景、ハンバーガー、花火、花束、告白…
ただ私にとっては、今夜のことが、一生忘れられない思い出になったことだけは…確かな事実だった。
最初のコメントを投稿しよう!