クリスマス・イブの夜に~樹side~

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そんな風に嬉しそうに柊が言ってた。 だから… 絶対に、柊は柚葉だけを想ってるんだと… そう思っていた。 でも、俺は… そんな柊の気持ちを裏切っていた。 どうやったら柊みたいに、人を素直に好きになれるのかずっと不思議だった… 気が付けば、自分の周りに女の子達がいたのは確かだ。 でも、誰かを見ても、誰かと話しても、誰かと2人きりになっても… 好きだとか、そんな気持ちには全くなれなかった。 告白は時々されてたし、その中の2人とは付き合ったこともある。 ちゃんと好きになりたかったし、好きになれるよう自分なりに努めた。 相手を大事にした。 だけど…ドキドキしたり、胸が苦しくなるような、そんな気持ちには…なれなかった。 ただの恋愛ごっこでしかなく、結局は別れがやってくる。 柊にも相談はしてたけどうまくはいかない。
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