2人のあなたに愛されて～歪んだ溺愛と密かな溺愛～

バイト生活の始まり

『真奈は明日から仕事だよね』

『ほんと、もう少し休みたいよ』

真奈は、ずっと柊君の会社で頑張っていくんだろうな。

好きな仕事を辞めるのは…

やっぱり、つらかった。

年末までにはプロジェクトも無事に終わって、私はみんなに見送られて会社を去った。

『真奈、本当にありがとうね。いろいろ助けてもらって…バイトも真奈が良介君に頼んでくれたおかげですぐ採用になったし』

そう、私のバイト先は、真奈の彼氏が働くカフェ。

家から近いし、知ってる人がいるだけで安心出来るし。

真奈があのカフェを勧めてくれて、本当に良かったと思ってる。

『もし、良介が悪いことしてたら報告してよね』

真奈が笑いながら言った。

『良介君はそんなことしないよ。本当に真奈のこと大好きなんだから』

それから少し話して、私は電話を切った。

本当に…そう。

真奈は良介君に愛されてる。

だから、すごく…うらやましかった。

真奈は幸せだなって。