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「新郎様は、身長がお高いのでお裾直しが要らないですね。本当にお似合いです」
衣装合わせを手伝ってくれた式場の方々も、柊君の姿に思わず溜め息をもらしていた。
「柚葉、どう?似合ってる?」
ニコニコしながら聞いてくる。
そんな素敵な可愛い笑顔で見られたら照れちゃうよ…
「…い、いいと思うよ、すごく」
あまりに洗練されたカッコ良すぎるタキシード姿にドキドキし過ぎて、そんな単純な言葉しか出てこなかった。
もっとマシな褒め言葉無いの?
本当に、自分の語彙力の無さに落ち込む。
「柚葉、おいで」
ウエディングドレス姿の私を手招きした柊君が、式場の人に言った。
「すみません。写真お願いしてもいいですか?」
ずっと笑顔でいる柊君に、私まで嬉しくなる。
「はい、撮ります。笑って下さい~」
カメラのシャッター音と同時に、世界一幸せな2人の写真が、スマホの中に…たった1枚だけ生まれた。
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