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幽霊オンライン会議。
僕と5人の幽霊、というよりは悪霊がオンライン上で集まり、どんなことをして怖がらせたのか、どんなことがあったのかを気が済むまで語り合う会議である。
僕たちが何故こんなことを始めたのか。
それは約1年前に遡る。
僕は生まれつき霊感が強く、幽霊に連れていかれそうになったり、取り憑かれたりすることが良くあった。
何度か死にかけたこともあった。
まぁ、運良く生きてこられたけど。
この日、僕は仕事が終わって家に帰った後、テレビを見ながらくつろいでいた。
ザザザッ。
霊「ん?」
急にテレビがノイズを始めた。
霊「おかしいなぁ。故障か?」
僕は何度もテレビを叩くが、治る気配はない。
プツン。
霊「え!?」
今度は部屋の電気が消えた。
ゾワッ。
霊「…!!」
急に体に悪寒が走った。
霊「(何だ!? この気配は!? 今までに感じたことのない、強い霊の気配…。)」
ザザッ。
テレビのノイズが止まった。
テレビには、古い井戸のようなものが写っていた。
霊「(この井戸は…まさか!?)」
井戸の中から手が出てきた。
ゆっくりと手が伸び、長い神の女性が現れた。
霊「(やっぱり!!)…貞子」
僕はテレビのリモコンを手に取り、電源ボタンを押した。
だが、テレビは消えない。
霊「駄目か…なら!」
僕はテレビの電源プラグを抜いた。
しかし、やはりテレビは消えない。
霊「クソ!! どうしよう…」
ジジ…
霊「…!!」
気付くと、テレビから手が出てきていた。
霊「あぁ…」
僕は腰を抜かしてへたり込んだ。
ゆっくり、ゆっくり。
貞子はテレビから出てきた。
貞「…」
ゆっくりと貞子は僕に近づいてくる。
貞子は僕の顔に手を伸ばす。
霊「…うわぁぁぁぁぁぁ!!」
とまぁ、そこから紆余曲折あり、僕はたくさんの幽霊さんと出会いました。
しかし、その幽霊さんたちもコロナの波には苦しめられているようで、結果がよろしくないことが増えてきたそうだ。
そこで計画されたのがこの幽霊オンライン会議だ。
幽霊さんたちがリモートで会議をし、どうやったら人間たちが外に出て心霊スポットに行くようになるか、呪いの品物を受け取ってくれるか等、その場から動けない地縛霊たちのために他の浮遊霊たちなどが知恵を出しあう場を作ったのだ。
そして、「人間代表の意見も聞きたい」ということで、人間と親しい僕が選ばれたのだ。
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