11人が本棚に入れています
本棚に追加
/34ページ
「お見事。…要は、コイツがそうだ」
上司は鉄格子の先の塊を指差す。
「なるほど、混血人ですか…何との?」
「…何ともだ」
「?」
「コイツはな、あらゆる種族の血を引いている…言うなれば、"超"混血人だ」
「超…混血人?」
「私が知る限りでは…そうだな。天使、悪魔、巨人、小人、狼男、妖狐、サキュバス、ヴァンパイア、鬼、エルフ、フェアリー─」
「ちょ、ちょっと待ってください」
Qは思わず、上司の言葉を遮った。
「この毛玉─ゲフン。コイツは、それら全ての血を流しているということですかッ?」
「─その他諸々を先祖に持つ男と、雪女との間に産まれた混血人がコイツだ」
と上司は締め括った。
最初のコメントを投稿しよう!