『第1話』

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「将暉くん、ちょっと良いかな?」 「え?どうしたの??」 「ちょっと、話があるの…」 「うん、別に良いけど…」 1年の時に同じクラスだった女子に呼び止められ、隣にいた拓也に先に教室に行くように促す。 「…どうした?」 「………………え…」 「俺の裾、掴んでるから…」 「…………ぁ、ごめん」 「?……じゃぁ、後でな!」 「………分かった」 行くなと言われているような… 捨て犬をシカトして置いていく罪悪感のようなものを残して、裏庭に向かう。 あいつ…表情は変えなかったけど、尻尾と耳が垂れ下がって「クゥン…」って言ってる犬のように見えたな…。 「あのね、将暉くん…」 「うん…」 「私、拓也くんの事が好きなんだけど…」 「…うん、…うん?」 俺…告白されるって思った…。 少しだけ期待したのに…まさかの「拓也が好き」って……だから何だよっ!!? 「拓也くん、好きな人とかいるのかな?連絡先とか知りたいんだけど…仲を取り持ってくれない?」
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