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「将暉くん、ちょっと良いかな?」
「え?どうしたの??」
「ちょっと、話があるの…」
「うん、別に良いけど…」
1年の時に同じクラスだった女子に呼び止められ、隣にいた拓也に先に教室に行くように促す。
「…どうした?」
「………………え…」
「俺の裾、掴んでるから…」
「…………ぁ、ごめん」
「?……じゃぁ、後でな!」
「………分かった」
行くなと言われているような…
捨て犬をシカトして置いていく罪悪感のようなものを残して、裏庭に向かう。
あいつ…表情は変えなかったけど、尻尾と耳が垂れ下がって「クゥン…」って言ってる犬のように見えたな…。
「あのね、将暉くん…」
「うん…」
「私、拓也くんの事が好きなんだけど…」
「…うん、…うん?」
俺…告白されるって思った…。
少しだけ期待したのに…まさかの「拓也が好き」って……だから何だよっ!!?
「拓也くん、好きな人とかいるのかな?連絡先とか知りたいんだけど…仲を取り持ってくれない?」
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