『最終話』

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「俺は将暉だけだから、そんなことしないよ」 「分かってるけどさぁ、ちょっと手だして」 拓也の手を掴んで、ポケットから取り出した指輪を左手の薬指にはめた。 「えっ!?これ…」 「これは、虫除け…」 「虫除け…!?」 「付けてれば既婚者だと思われて、変な虫が近づいてこないかもって思ってさ」 「………将暉…」 「…と、言うのは嘘で…婚約指輪だと思って付けて欲しい」 付けた指輪を見つめる目が潤んでいる…これには俺も目を潤ませた。 「ありがとう…俺が安定したら、結婚指輪、一緒に買いに行こう」 「うん、その日が来るまで待ってるよ!」 俺たちはこれからも2人で愛を育んでいく。
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