おじさんと僕

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 いつもなら僕が本を読み終わるのを待ってくれるのに変だなと思いながら「話って何?」と答える。  「おじさん、坊やに色々と話せてよかったよ」  なんだか照れくさいけれど僕は「ありがとう」と言った。  「おじさんも大人だ。そろそろけじめをつけようと思ってね」  「けじめってなんのけじめをつけるの?」  「おじさんがしたことにだよ」  「おじさんがしたことってなに?」  「おじさんは色々とルールを破ったんだ」  おじさんは悲しそうな顔をしている。僕はおじさんの悲しそうな顔を見るとなんだか僕まで悲しくなってきた。  おじさんの話しをもっと聞きたくて質問としようとしたら誰かに体を強く揺すられた。  
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