おじさんと僕

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おじさんと僕 1    僕はいつも学校が終わると公園に行く。家に帰っても誰もいないし、みんなみたいにゲーム機なんてうちは買ってもらえないから公園でぼうっとしたり図書館から借りてきた本を読んで夕方になるまで時間を潰している。  いつものように図書館で借りた本を大事に持って公園に行き、いつも座っている赤いベンチの近くに行くとスーツをきたおじさんが座っていた。  「こんにちは」  僕は人に会ったら挨拶するように母から言われていたのでとりあえず挨拶をした。  おじさんは僕が挨拶をすると少し驚いた表情をした。少しの間があったけれどおじさんも「こんにちは」と丁寧に返した。  僕は挨拶をしたのでおじさんの横に座り本を広げて読み始めた。本を読んでいるとおじさんの視線を感じたので「なにか用ですか?」と聞いてみる。おじさんは僕が質問をするとまた少し驚いたようだった。  「いや、別に」  おじさんはたじろきながらそう答えた。僕は「そうですか」と言って再び本を読み始める。
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