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年明けがすぐそこまで迫り、今年は色んなことがあったなーと感傷に浸る。
そんな平凡としか表せられない、今日この頃。
『トーマくーん。二十一時からオンラインで飲み会するわ。面白いことが起こるから参加してくれ』
『今日の運勢一位は……なんと!! 魚座のトーマくん!! 異性との距離が急接近!? オンライン飲み会に参加すればさらに運勢アップ!! ラッキーカラーは黒!』
ありがたいことにサークルの先輩、翔太さんと茜さんからのお誘いがきた。
『志摩もくるぜ。どうするよ? トーマくーん』
『愛しの志摩先輩も来るって!! あとあと、素直にぶつかることが大切だってさ!! 言っちゃえ言っちゃえ!!』
腹が立つスタンプ付きで、煽りもしっかりもらった。
話に出た、志摩美佳子先輩。僕の一つ年上。
神々しい黒髪ロング。クールな目元。清楚で落ち着いた雰囲気と女性らしい体型のギャップが、なんとも魅力的。
要するに、男の理想と言ってもいい女性。
……好きなんだなーこれが。
なにを隠そう。
一年前、彼女に一目惚れして、このサークルに入った。
そんな理由でも、翔太さんや茜さんはむしろ頑張れといつも背中を押してくれる。目ぼしい成果は出ていないが、本当に感謝している。
噂によれば志摩先輩はお酒が苦手らしく、飲み会には全く出席しない。男性とお酒を飲むのが怖いというのもあるようで、このサークルですらほとんど顔を見せない。
しかし、今回は茜さんの計らいにより志摩先輩の出席を獲得してくれた。
滅多にない機会。先輩達のご厚意。
無駄にすべきではない。
よし。やってやろう。
そうと決まれば……今日こそは──ラインを聞くんだ!!
翔太さんに参加の旨を返信した。
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