オンライン告白

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「中志田くん」  経過した時間の感覚も曖昧になってきた頃。  なぜだか、まだ通話状態の彼女が僕を呼ぶ。 「な、なんですか?」 「さっきの告白のことだけど」 「あれは、ちが……すいません」  ギラッと凄まれてしまっては、大人しくする他ない。  気持ち正座でお叱りの言葉を待つ。 「──ゲームに乗じてなんて……」  上司からの説教ってこんな感じなのかな。  現実逃避していた僕は、次の言動で瞬時に現実へと引き戻された。 「嬉しくないわ……」 「……へ?」  嬉しくない。志摩先輩は確かにそう言って、顔をそらした。  嫌い、とか。良くないこと、とか。注意でも忠告でもない。  となれば残るは……と、否が応でも期待が膨らむ。  単純な僕に志摩先輩はこう言い残した。 「ちゃんとした雰囲気でしないと……許さないから」  ……ちゃんとした雰囲気。許さない。  咀嚼すること、一秒未満。 「志摩先輩それって──」 「と、透真くん。おやすみなさい」  一言だけ付け加えて、志摩先輩は暗闇へと消えていった。  最後に見せた真っ赤な顔はお酒のせいだけではない、だろう。期待してもいいんじゃなかろうか。透真くんって言われたし。  ってことは。つまり? 志摩先輩と透真くん()は……アルコールと浮つく気持ちでほわほわした頭を懸命に働かせる。  結果、画面には引くくらいだらしない表情の僕が映る。  来年も頑張れそうだ。
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