東垣の乱

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危機は去った。しかし、平穏は仮初に過ぎない。 趙王は中山を滅ぼし、北の燕、代、果ては九原(きゅうげん)への軍道を切り拓くことである。 中山王が趙に頭を垂れ、狼心(ろうしん)なしの服従を誓うならば、存続の可能性は零ではないが、中山王は四邑を献じて、苦し紛れの和を請うただけであった。 意外だったのは、傲慢な趙王があっさりと和平交渉を受け入れたことである。 趙国内で何かがあったと、楽毅は見ている。
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