東垣の乱

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彼は父の客人であったらしく、暫く霊寿の館に逗留(とうりゅう)した。 父は初老の客人のことを、孫先生と呼んでいた。 楽毅自身、幼い頃から兵法に関する典籍は読み漁っていた。  ある日、孫先生は楽毅を気紛れで手招き、 「楽少年。私は暇を持て余していてね。少し私と遊ばないか」 戸惑いながらも頷くと、孫先生は屈託なく笑い、自身の荷物から盤上のものを机の上に置いた。
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