図南の翼

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趙与は反射的に剣を抜いた。眼前の少年が視界から消えていた。 「趙与‼」 天から雄叫びが降り注ぐ。影。仰ぐ。 少年は日輪と重なるように空を翔んでいた。斬光一閃(ぜんこういっせん)。 袈裟に強烈な痛みが走る。 少年が地に降り立つ。再び視線が交錯。 「仕留めそこなったか」  少年は吐き捨てた。
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