図南の翼

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之がきっかけとなり、稟性(ひんせい)のある諸侯が頭角を現し、覇権を争うようになった。 やがて、春秋時代には百余国あった国々は、時代の荒波に呑まれ、強国に併呑されて行った。 そして、現今も存在し続ける七雄と呼ばれる国々が、争乱の時代を生き抜いてきた、万乗(ばんじょう)の大国なのである。 しかし、争乱は尚も続く。七国の王は、今や形骸化した周宗室に変わって、真の意味で中華の支配者となることを望んでいる。 澎湃(ほうはい)とした新時代の気運が中華全土に横溢している。 趙の武霊王は、新時代の嚆矢(こうし)と云える。
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