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このままではいけないことは分かっている。
ただ中佐の指示に従って任務をこなすだけなら、そんなことは誰にでもできてしまう。僕でなくてはできないことをする必要があるのだ。中佐の指示がなくとも適切に動かなければならないのだ。
しかし、中佐が言った通り、魔法大学で学んできたことは何の役にも立たない。このままではいけない、その感情だけが先走って、何をすればいいのか分からなくなってしまう。
食事が終わっても、親友が帰っても、結局思考を切り替えることができなかった。憂鬱な気分のままベッドに潜り込む。
眠れないかもしれないと思ったが、疲れていたせいだろう。目をつぶって大きく息を吐くと、するりと眠りに落ちることができた。
深い眠りだった。
夢は、きっと、見なかった。
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