病気がない世界

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病気がない世界

時は2065年、病という病は全て治る社会となった。ただし、医療現場で働く人々は気づいた。病は治るが、低下した筋力は本人が使うことによってしか増えない。しかし、動かせるだけの筋肉は残ってない。だから、筋力は下がり続ける。人々が願った病気で死ぬことがない社会は実現した。ただ、病では死なないだけ。唾は飲み込めないので鼻から管を入れられ吸引を行う。患者は痛みで涙を流す。少しずつだが筋肉は回復する。しかし、動かせるようになるまでには死ぬことになるだろう。 隣のベッドの患者が死んだ。心停止だそうだ。また、鼻から唾液を吸引する。患者は涙を流し、看護師は涙を拭く。
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