28人が本棚に入れています
本棚に追加
/4ページ
生徒会長にはヤンキー①
「うちの学校には悪魔がいる」
そんな事言っても誰も信用しようとしない。なぜなら、その悪魔というのが生徒会長こと織部慧斗だからだ。
頭脳明晰、スポーツ万能、顔も良くて、人当たりもいいし先生からの信頼も厚い。そんな完璧な彼を誰が悪魔だと言うのか。
それはただ1人橋本律稀だけだ。
素行は悪い、頭も悪い、ガラも悪いの三拍子揃った不良そのもの。彼の言う事を信用する奴はもちろん居ない。だが、律稀は身をもってその事を知っている。だからこそ、今日も慧斗から逃げるように学校中を隠れてまわる。
今は階段の下の倉庫に身を潜めている。
「はぁ〜まじ、落ち着かねぇなぁ」
授業を抜け出してこんな所にいるなんてバレたらまた叱られるんだろうなと思いながらもポケットから潰れた赤のマルボロを取り出した。
「一服すんのにも必死とかやべぇよな」
煙草を口にくわえ火をつけて肺に煙を吸い込む。
「すぅーー……はぁ〜うめぇ〜これだよこれ」
至福のひと時に浸っているとドアの開く音が聞こえた。
「こらこら、こんなところでサボって一服はダメだよ2年B組の橋本律稀くん」
「っげ」
そこに現れたのは例の生徒会長だった。
「アンタこそ、授業サボってんじゃねぇか。生徒会長サンよ」
「そんなわけないでしょ。先生の都合で自習になったから生徒会長の僕が構内の見回りしてるんだよ」
ニコニコしながらも後ろ手に倉庫の内鍵をかける慧斗。それを見た律稀は一瞬にして背筋を凍らせた。
「あ、あの〜……なんで鍵かけて……」
何となく理由はわかっていたが、念の為確認をする。
「決まってるでしょ、生活指導だよ」
「ですよね〜……」
さっきまでのニコニコした柔らかい表情から、鋭い目付きに変わる慧斗。その目付きに流石の律稀も怖気付いたのか焦り始めた。
「あ、あの、その……ごめんなさい、授業出るので許して下さいっ」
「もう遅いよ、まだ躾が足りないみたいだね。今から俺が特別に指導してやるから、有難く思えよ」
これが本当の慧斗だ。一人称は【俺】でまるで人が変わったような表情をする。後ずさりしようとするも後ろは壁でそれ以上距離を取る事が出来なかった。
「くんなっ」
ジリジリとゆっくりと詰められる距離。
「く、くんなって言ってんだろっ!!」
「……煩いよ」
煙草を持つ手を捕まれ、捻り上げられた。その拍子にタバコが床に転がる。
「ってぇな!なにす……んッ!!!」
慧斗が上履きでその煙草を踏みつけたと同時に塞がれる唇。
何とか片手で相手を押しのけようと暴れてみるがビクともしない。生徒会長のくせに腕っ節が強いなんて事があってたまるかと力を振り絞るも適わなかった。
「っぷはぁ!……テメェ……ふざけっ……うっ」
唇が離れたと思ったら今度は股間を踏みつけられた。
「やめ……っ」
少しずつ力を加えられじんわり痛みを覚えた。
「その口の利き方はよくないよねぇ。お利口さんに出来ないみたいだからちゃぁんと躾ないとね?」
見下され、踏みつけられて気分は最低の筈なのに何故か逆らえない。それどころか、気持ちとは裏腹に身体は熱を帯び始めていた。
いつの間にか手は縛り上げられ、倉庫の柱に固定されてしまう。どこにそんなにものを隠し持っていたのか、慧斗は小さな電マを取り出して張り詰めた律稀の股間に押し当てる。容赦なく最大振動のソレを押し当てられ律稀はただ喘ぐことしか出来なかった。
「んぁっ、やめ……ごめんなさ……ぅぐっ……もぅ、むりぃ……」
さっきから執拗にココばかり攻められている。達しそうになると根元を指でキツく締められる。その繰り返しで律稀は何も考えられなくなっていた。
「あーあ、顔もコッチもグチャグチャ。鼻水まで垂れて、だらしないね。」
「ぁう…………ひぁっ……も、イキた……おかしくな、るからぁっ……」
「ふーん、そ。じゃ、いけば?」
素っ気なく返事をしたかと思うと今度は電マを陰茎に括り付けられる。
「ひやぁ、やめ……や、やめて……」
「なんで?イキたいんでしょ?どうぞ?」
電マに続いて今度は指が後孔に押し入ってくる。慣らしてもいないソコは既に先走りで濡れそぼっていて指1本程度なら簡単に呑み込んだ。
「ぐっ……ぃてぇ……うぅ……やめっ……」
圧迫感に思わず口をパクパクとさせてしまう。
呼吸もままならないうちに慧斗は続けて2本目の指が挿入される。明らかな圧迫感に背中をのけぞらせる律稀。
(いってぇのに……ジンジンする……やべぇ……)
律稀が何度も謝罪の言葉を口にしても、慧斗の指は容赦なく律稀の中を蠢く。
「やめっ、やめ゛で……ごめ……もうあやま、るからぁ……」
ヨダレと涙で顔を歪める律稀は慧斗に懇願する。
「も、や……きもちわる、い……うぐっ……んぉっ……」
腸内を抉る指のせいで胃のあたりからなにか沸き上がりそうな気がした。
「何言ってんの、こんなに濡らしてるくせに。ほら、舐めて綺麗にしてよ」
目の前に差し出されたのは律稀の先走りで濡れた慧斗の指だった。それを半ば強引に口の中に突っ込まれる。
「んぐっ……う……ンンっ……」
「かんじゃダメだよ、わかってるよね?」
「フー……フー……んんぐっ……」
言われた通りに歯を立てないように注意して慧斗の指に舌を絡める。
何故か律稀は慧斗にこの鋭い目で見られると逆らえなくなる。涙をまたたっぷり浮かべた顔で慧斗を睨みつける。すかさず、指とは明らかに違う圧迫感が内部に響き渡る。
「んがぁっ!!」
慧斗は自身のソレを濡れた律稀の後孔に押し入れていた。
「んぐっ……う゛っ……やめっ……」
「こーら、噛まないでって言ったよね?言うこと聞けない子にはお仕置が必要かな?」
ニヤリと笑う慧斗は優等生とは真逆の悪魔のような顔をしていた。
「んーんーーーー」
必死で嫌だと訴えかけると、なんとか通じたのか慧斗は腰の動きを止めた。
「ん、なに?ちゃんといい子にするの?」
「んっ、んっ!」
律稀は何度も頷いてみせる。
「そう……いい子に出来るんだ」
再確認してから慧斗は律稀の口から指を引き抜いた。それから優しく微笑んで頭を撫でる。
「いい子に出来るなら、褒美あげるからね。わかった?」
「……は、はひぃ」
律稀はぼんやりする頭で訳も分からず返事を返した。
慧斗はその返事に満足したのか、いつもの人当たりの良い生徒会長の顔に戻った。それと同時に一度止めた律動を再開。
力づくで押し込むのではなく、緩やかに優しくゆっくり奥を開くように抽挿を繰り返す。
「んぁぅ……はぁっ、……んんっ」
「凄いね、律稀のナカ熱くて溶けそう……っ」
丁寧に解説までして、律稀は逆に羞恥心を煽られてしまう。
さっきまでは恐怖と不安に震えていた身体も今はすっかり快感を感じるようになったのか、律稀は甘い吐息と共に身体を震わせていた。律稀は手首を縛られたままだったがそんな事気にならないほどに慧斗に溶かされていった。
共に達し、後始末を終えた所でちょうど授業の終わりを知らせるチャイムが鳴った。
「ちゃんと授業受けるんだよ、いいね。」
「わかってるよ。」
「あぁ、あとコレは没収だからね。」
そう言って見せたのは愛煙のマルボロだった。
「…………」
律稀は何も言えず去っていく慧斗の後ろ姿を眺める事しか出来なかった。
《終》
最初のコメントを投稿しよう!