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「ところで、七瀬さんてどこ行ったか知ってる?」
先程まで笑顔で語尾にハートマークまでつけていた彼女達だが、そう聞くと……眉をピクっとさせ若干面白くなさそうにだが、答えてくれた。
「あぁ。七瀬なら、さっきどこかに出ていきましたよ。あの子、すぐサボるんで。……それより、今度またお食事……」
「ありがとう。それじゃ、また」
最後まで聞く気になれず、途中で会話を切る。 平常どおりの笑顔は貼りつけたままなので、問題はない。
俺は、モヤっとした気持ちを抱えながら経理部を後にした。
七瀬ちゃん、相当妬まれてんな。嫉妬か。よくサボるって……社員名簿には勤務態度良好と記してあったし、そんな子には見えなかったが。高嶺の花の、宿命か?
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