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「うわっ!どうしたのコレ?」
昨日の朝、彼の物を分別したままの荷物をみて思わず声が出てしまったようだ。
トランクに一週間分くらいの着替えを詰めて、大きめのバッグに愛用のノートパソコンを入れた。
「何気にブランド物とかアクセサリーをプレゼントされてたんだね」
「結構稼ぎがいいから、心は篭ってなくても値が張れば女は喜ぶと思ってたのかも、実はあっちこっちにばら撒いてたりして」
「そんな奴に見えなかったけど、合鍵ももらってたんでしょ?無駄に稼ぎのいい男ってこう言うのをポンポンとプレゼント出来るだ」
ポストに落とした時のコトンと言う音を思い出した。
あの時、私の心の破片も落としてしまったかも。
頭では、別れたんだから彼が何をしようと関係ないと思っても、実は可愛い彼女がいだんだと思ったら心がギシギシと音をたてる。
やっぱり、今日祥子の所にいく事にしてよかった。
「一度しか使ってなかったけどね、しかも・・・もう、いいや」
「落ち着いたら売りに行こうと思って、一緒にフルコースを食べに行こう」
「いいわね、何気にいい物っぽいからホテルにも泊まれそう」
「だったら、台湾に行こうよ!祥子は彼のところに泊まって私は圓山大飯店に泊まる!」
「えーだったらわたしもそっちに泊まりたい!彼のところはいつでも泊まれるし」
「じゃあ決定」
二人で爆笑してスッキリした。
キャリーバッグを手に取ると祥子はパソコンの入ったバッグを持ってくれた。
「忘れ物は無い?」
そう聞かれて思いだした。
「あっ!荷物」
急いで部屋に戻ると彼宛の荷物をもった。
重くもなく軽くも無い。
私たちの関係もこんな感じだったんだろうか、彼にとっての私の重み
重くもなく軽くも無い。
それとも軽くていつでも捨てられるものだったのかも知れない。
「コンビニで出して行こうと思って」
祥子はチラリと宛先を見る。
「着払いにすればいいのに、立つ鳥跡を濁していいのよ。アイツだってそうなんだから」
「なんかさ、自分が書いた送付状に対してあの人がアンサーをする事が嫌なのかも。一方通行の方がスッキリする」
「そう言う考え方があるのか、わたしが男だったら麻衣と結婚するけどな。美人でスタイルがよくて仕事も家事も出来るとか最高じゃない、そして気配りも出来る」
「買いかぶりすぎ祥子、でも頑張ってたんだけどな〜、若さだけはしょうがないよ」
祥子も先ほどの光景を思い出したのか一瞬嫌な顔をする。
「若くて可愛い子・・・、もうさ頑張んなくていいよ。行こう」
「うん」
漠然と終わるよりも、最後に理由がわかってある意味良かったのかも。
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