片付け班

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片付け班

 フレアとテンは宴会場の片づけを手伝っていた。  宴会用の誂えの食器類を地下倉庫にしまう作業に目途がついて、ヤレヤレと階段を上がって戻る。 「主様が卵産んだって、どういうこと?」  フレアがテンが帰った後のシロガネ大暴れの顛末を語った後、今度はテンが水の世界での出来事をフレアに話していた。女神が消えた影響なのか、水の世界でも稀にみることが起きつつあるらしい。 「うーん。主様のお考えは誰にもわからないからなぁ。卵は四個もあるんだ。全部孵るのかどうかも、孵ったお子たちが新たに不可侵海域を作るのかも……わからない。ただ、主様にあてられてんのかなんなのか、海中に妙なエネルギーって言うか気が張り詰めだしていて、オレ等の種族の中もちょっと浮ついた感じになりつつあるし、母ちゃんも『もう一人子どもが欲しいなー』とか言いだしちゃって父ちゃん、びっくりしてるし……」 「一体、何が始まるんだろうね?」 「わかんない」 「女神様って、独りでなんかすごい力の流れを堰き止めてたんだ」    二人で顔を見合わせ、何にというわけでもなく溜息をついた。
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