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Chapter 12 九条の彼女? それとも女友達?②
一週間が経った。
僕が九条のところへ行こうとすると、毎朝九条はあの女の子と話している。女の子の方もかなり馴れ馴れしい。
話していない日がずっと続いているため、九条との間には積もる話がたくさんある。
──九条とあの女の子、一体どういう関係なんだろうな?
考えてみる。
いつもああやって話しているということは、同じ中学の同級生か彼女といった感じだろう。でなければ、あそこまで気安く接することはできない。
だが、あの子と九条がじゃれ合ったり、手をつないだりしてるところ見たことがない。
カップルがいる普通の高校生ならば、小中学校とは違い、手を繋いで登下校するなどしている。それに、九条と誰かが付き合っている、という噂を一切聞かないのが不自然だ。となると、やっぱり普通に中学のときの同級生と考えるのが妥当だ。
──でも、でも、でも、いくらあの子供じみた外見の九条とはいえ、年ごろの男。顔に出してなくても、女の子と一緒にいて、何かしらの情を抱いていてもおかしくないはずだ。
頭も良くて、学校の勉強以外にも精通している。そして、あの可愛らしい顔。ただ、あの粘着室な性格一点を除けば、優良物件じゃないか。
──やっぱり、九条とあの娘って、セフレなのか?
九条には「彼女がいない」というだけであって、「セフレがいない」とは聞いていない。
──おのれ九条のやつ!
そう考えると、さらに九条に嫉妬してしまう。
僕は人付き合いも苦手な口ではあるが、それでも立派な一物を持った男子。あんなことこんなこと、一度はベットの上で、やってみたい! いや、でも、今はあの女の子と九条の関係性について考えている。なのに、なぜかエッチなことへと妄想が向かってる。落ち着け、東条誠15歳高校1年生。
「落ち着け、落ち着け」
そう小さな声でつぶやきながら、僕は頬を何回か叩いた。
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