0人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
89年夏、僕が小6の時、雨の日だった
放課後は水泳教室に参加しないといけなかった
どこにでも悪い者はいる、プールサイドを飛び回るアブをむやみに殺そうとする男子がいた
「殺すな!」
そう言って悪い男子からアブをかばう女子がいた
僕より1学年下の小5のルミ子さんだった
黒いスクール水着姿なので余計に女子特有の華奢さがわかった
それでも自分より力の強い複数の男子に立ち向かったルミ子さん
しかも虫一匹の命を守るために
彼女のあの日の姿は僕の心に響き、ずっと残り続けた
だが当時の僕は恋などわからない少年
それが恋だとは気づかなかった
最初のコメントを投稿しよう!