ヒーロー王子とブルマのシンデレラ

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89年夏、僕が小6の時、雨の日だった 放課後は水泳教室に参加しないといけなかった どこにでも悪い者はいる、プールサイドを飛び回るアブをむやみに殺そうとする男子がいた 「殺すな!」 そう言って悪い男子からアブをかばう女子がいた 僕より1学年下の小5のルミ子さんだった 黒いスクール水着姿なので余計に女子特有の華奢さがわかった それでも自分より力の強い複数の男子に立ち向かったルミ子さん しかも虫一匹の命を守るために 彼女のあの日の姿は僕の心に響き、ずっと残り続けた だが当時の僕は恋などわからない少年 それが恋だとは気づかなかった
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