Episode 14.過去

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「! ま、待って…」 出ていく背中を慌てて追いかける。 「ねぇ、篠澤くん…!」 足早に会計を済ませて出ていく彼の後を必死に着いていく。 「待っ…」 店通りを抜けて、近くの公園にさし掛かろうとした時。 急に立ち止まった彼の背中にぶつかる形で飛び込んでしまった。 「いっ?!」 ぶつけた鼻を押さえて顔を上げると、彼はまっすぐ前を向いて止まっている。 (ど、どうしたんだろう?) 少し下がって離れ、彼の横から顔を出すと、篠澤くんの前には蓮見くんが立っていた。 「…なんでお前がここにいんの」 篠澤くんの鋭い声が蓮見くんに向けられる。 「…お前んとこの生徒が、うちの学校に来てるって噂になってたから、もしかしてと思って」 「…へぇ?追いかけてきたってわけ?」 篠澤くんは鼻で笑うと、私の方をくるりと振り返る。 (え──) 瞬間、彼の腕の中に閉じ込められた。 「あぁ、そうそう。俺ら、付き合うことになったんだよね。だから祝福してくんない?」 「?!」 突然の篠澤くんの言葉に目を丸くする。 「えっ、何言っ…」 言いかけた口を塞ぐように、更にギュッと胸元に抱き込まれて何も言えなくなる。
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