Episode 14.過去

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「…離せよ」 私に回された篠澤くんの腕を蓮見くんが掴む。 「そっちこそ離せよ」 「お前が離せ」 ギリッ…と蓮見くんが手に力を込めたのが分かる。 「ッ……なんで…。なんで、そういう執着を美樹にしてやれなかったんだよ!」 「!」 篠澤くんの叫びに、蓮見くんが怯んだ。 「…あいつは…っ、お前のせいで今も病院にいる…!お前が美樹をあんな風にしたんだろうが!」 「…それ、は…」 「自分の行動に責任が取れないなら、なんで美樹と付き合った?!」 「し、篠澤くん…」 今にも噛み付きそうな勢いで、篠澤くんは蓮見くんを睨んでいる。 「美樹を不幸にさせたお前に、恋愛なんかする権利ねぇよ!!」 篠澤くんはそう言うと、蓮見くんの腕を振り払うようにそのまま私を連れて踵を返す。
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