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「…離せよ」
私に回された篠澤くんの腕を蓮見くんが掴む。
「そっちこそ離せよ」
「お前が離せ」
ギリッ…と蓮見くんが手に力を込めたのが分かる。
「ッ……なんで…。なんで、そういう執着を美樹にしてやれなかったんだよ!」
「!」
篠澤くんの叫びに、蓮見くんが怯んだ。
「…あいつは…っ、お前のせいで今も病院にいる…!お前が美樹をあんな風にしたんだろうが!」
「…それ、は…」
「自分の行動に責任が取れないなら、なんで美樹と付き合った?!」
「し、篠澤くん…」
今にも噛み付きそうな勢いで、篠澤くんは蓮見くんを睨んでいる。
「美樹を不幸にさせたお前に、恋愛なんかする権利ねぇよ!!」
篠澤くんはそう言うと、蓮見くんの腕を振り払うようにそのまま私を連れて踵を返す。
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