Episode 15.選択

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Episode 15.選択

(な、なんてタイミングで…!) 「ゆ、悠ちゃん…」 はっと気付いて、慌てて二人の腕を振り払う。 「…もしかして、なんか揉めてた?」 悠ちゃんが尋ねてきた。 「もっ…揉めてない!揉めてないよ?!フツーに話してただけ!」 「…そう?」 (ああああ、あの目は絶対怪しんでるぅぅぅ…!!!) 「だ、大丈夫!全然!何も!」 「ならいいんだけどさ…」 悠ちゃんの視線が、2人の男子に向く。 「えぇと、蓮見くんと…君は?」 「…誰すか、あんた」 篠澤くんが悠ちゃんをジロっと見た。 「し…篠澤くんっ!そっ、その人は私のお兄ちゃんなの!」 二人の間に入って場の雰囲気を変える。 「…お兄さん?」 篠澤くんが私と悠ちゃんの顔を交互に見る。 「……………。」 (あ、これ全然信じてないやつだ。 顔に『全然似てるとこねぇ』って書いてる) そりゃそうだ。 私が勝手に『兄』と思っている人なのだから。 「あ、兄っていっても幼なじみのね!?当然血の繋がりとか全然ないし、私が勝手に決めて尊敬してるだけで…っ」 説明途中の私の前に、蓮見くんが進み出た。 「藤本になんか用ですか?」 さっきより真面目な顔で蓮見くんが悠ちゃんに尋ねる。 「たまたま近くを通りかかっただけだよ。そしたら君らが居ただけで。でも梨々ちゃんが困ってるように見えたから」 悠ちゃんの答えに、蓮見くんが僅かにぴくりと反応した。
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