Episode 15.選択

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「嘘言ってどうするの?ずっと言ってる事だし、嘘なんて俺に何の得もないでしょ?」 「……〜〜っ…」 どうしよう。 目の前がクラクラしてきた。 ──『結婚』── 考えてもなかった言葉に、頭の中が沸騰して爆発したように真っ白になる。 でも、本当に蓮見くんとなら幸せになれるんじゃないか…なんて、一瞬考えてしまった。 でも、いいのかな…。 そんな風に考えるなんて、きっとどこかでバチが当たるかもしれない。 「ねぇ、藤本」 蓮見くんが顔を覗き込んでくる。 「ただ泣くより、幸せになって笑う方が藤本には似合ってるよ。俺はそう思う」 「で、でも私は…」 「大丈夫。藤本にもちゃんと幸せになる権利はあるんだ。…なんて、綺麗事かもしれないけどさ。この世界に幸せになっちゃいけない人なんていないんだよ」 蓮見くんの言葉が温かくて、また涙が出る。 「あ、あれ?もしかして泣かせちゃった?!」 「…ちがう……違うの……」 蓮見くんはそっと私を抱き締める。 「…今、言いたいこと、全部吐き出せばいいよ。それで、楽になるならいくらでも泣けばいい」
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