Episode 15.選択

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「…ずっと、好きだったの…。ずっと好きで、忘れられないの…」 「うん」 「でも、ずっと悠ちゃんも辛かったと思う…。お姉ちゃんも…みんな、ずっと苦しかったと思う…」 私だけじゃない苦しみ、辛さ。 どれも抱えるものは皆同じ。 ただ、その気持ちが行き場をなくして彷徨っているだけ。 「…叶わないって分かってるのに、好きなのをやめられないのは、私のせい…」 私が、いつまでも諦められないから。 いつまでも、思い出にしがみついているせい。 「こんな事してたって、悠ちゃんが振り向くわけなんてないのに…」 ──好きだった。 自分の今までの人生をかけるほどに、好きだった。 どんな時も、どんな日も。 いつだって、悠ちゃんがそばにいたから。 そばにいて、笑ってくれてたから。 私の人生は、ずっと彼のおかげで輝いていたから。 「私…夢でもいいから…一度でいいから…悠ちゃんに振り向いて欲しかったよ…!」 叶うことのない、想い。 抱えるだけどんどん膨らんで、重くなって。 どんなに足掻いたって、もうこの気持ちはどこへも行けない。 「わあぁあぁ…っ!!!!」 堰を切ったように一気に気持ちが溢れる。 『さよなら』 そう簡単に切り離せるものなら、どれだけ良かったことだろうか。 その言葉を本人に向けるには、私はまだ未熟すぎる。
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