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スマホが1件のメッセージを受信する。
──『今日、茉莉花が迎えが無理そうだって。
代わりに俺が行くね』
微笑む絵文字付きのそれは、いとも簡単に私の心を踊らせた。
「えっ!やったあ♪」
私が歓喜の声を上げると、隣にいた友達の明里が肩にもたれ掛かりながら尋ねてきた。
「どしたの、梨々花」
「あ、お姉ちゃんが迎え無理になったから、お兄ちゃんが来てくれるって」
「お兄ちゃん?あぁ、例の?」
ピンと来たのか、明里がニヤリと笑って頬をつついてきた。
「良かったねぇ〜??」
「な、なんでそんな顔してくんの?!」
「え?どう見たって梨々花、その人のこと好きでしょ♡」
「え、そ、そんなんじゃないから!」
「ウソおっしゃい、顔に書いてるっつーの!」
明里がぷにぷにと頬をつつきに来る。
「やーめーてーっ!返事返さなきゃだから、離して!」
明里の手を振り切り、『OKだよ!』 と踊りながら微笑むウサギのスタンプを返信した。
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