Episode 1.私の恋は

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「はっ!もうこんな時間!先に先生に日誌渡してくる!」 「おー、気ぃ付けて〜」 時計を見て、先程書き終えた日誌を持って教室を飛び出す。 (早くしないと、いつお兄ちゃんが来るか分かんないもんね!) たたたと軽快に走って、廊下の角に差し掛かった時。 「うおっ?!」 「きゃあ?!」 お互いにぶつかり合ってしまい、軽く吹っ飛ばされた私は、思わず尻餅をつく羽目になった。 「いっ…たぁ…」 ぶつけたお尻をさすりながら、ゆっくり身を起こすと、相手も今しがた起き上がってくる。 「いっててて…」 「あ」 私はハッとして、慌ててその人に駆け寄った。 「ご、ごめんなさい!大丈夫ですか?!」 「や、へーき…。それより、そっちは?」 その人が困ったように笑いながら顔を上げた。 「…って、あれ?藤本?」 「は、蓮見くん!」 それは、同じクラスにいるサッカー部エースの蓮見(はすみ)くんだった。 (ああああああ!私ってば、学校の有名人になんてことをぉお?!?!) 学内にこっそりとファンクラブがあるというほどの人気者に、私はあたふたした。 (どこかでファンの子が見ていたら、絶対に殺される…!!)
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