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「ご、ごごごごごめんなさいいいい!!!おおおお怪我はありませんかねッッ?!?!」
「や、平気だって。落ち着け、藤本」
「いえ、そういう訳には!!!ほんとにすみません!どうお詫びをしていいやら…!!!」
かなり低い姿勢で土下座をして、どう詫びればいいものかと考える。
「や、ほんとに平気だってば。藤本、顔上げて」
蓮見くんがそっと私の頬に手を伸ばした。
「!」
慌ててその手を避けるように、瞬時に後ろへ飛び下がる。
「え」
蓮見くんが、変なものを見たかのように目を丸くしている。
「あのっ!本っっ当にごめんなさい!私、急いでるので、もしクレームでしたら、明日に是非言っていただけると…!では!」
それだけ言って、その場から立ち去る。
──「…藤本って、変わったヤツだな」
鼠のようなすばしっこさで去った梨々花を見て、蓮見は呟いたのだった。
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