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「お疲れ様、気を付けて帰ってね」
日誌を届け、担任に見送られた後、急いで教室に戻る。
「明里!私、帰るよ!」
教室のドアを開けると、話をしていたのか明里と蓮見くんが同時にこちらを見た。
「あ、うん!気を付けるんだよ〜」
「藤本帰んの?気を付けてな」
ひらひらと手を振る明里たちに手を振り返し、鞄を持って教室を出る。
(あれは…なんかいい雰囲気に見えたなー)
校門に向かって歩きながら、明里たちのことを思い出してニヤつく。
(あのまま明里が告白とかして、付き合っちゃったり?!)
きゃー!と一人で妄想を繰り広げて、笑いながら歩いていると。
「梨々ちゃん」
入口でこちらに向かって手を振っている人が立っている。
慌ててその人に駆け寄ると、その人は嬉しそうに顔を綻ばせた。
「悠ちゃん!」
桜坂悠多、その人だった。
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