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悠ちゃんは、幼なじみ。
6つ上の私のお姉ちゃんである茉莉花と、同い年の23歳。
そして、私の長年の片想いの相手。
「ごめんね、待たせたかな?」
「うっ、ううん!全然!」
「そっか、良かった。茉莉花の奴、今日は早く仕事終われそうにないんだって」
「あ、そうなんだ…」
お姉ちゃんは今日の朝、私を学校に車で送り届けてくれた。
帰りも同じように迎えに行く、と連絡をくれていたけど、どうやらそれが無理になったようで、悠ちゃんに頼んだ───という事らしい。
「こっちこそごめんね、忙しいのに」
「ううん、ちょうど店の準備が終わってたから大丈夫だよ」
傘をさしながら助手席のドアを開け、悠ちゃんがにこっと笑う。
「!」
(あああ、もうこういうとこだよ〜!何その笑顔!尊い!眩しいっ!!その瞬間切りとって額縁に入れて飾りたい!!)
「梨々ちゃん?どうしたの、頭抱えて…」
「ハッ!ご、ごめんなさい、今乗ります!」
慌てて乗り込むと、悠ちゃんがドアを閉めてくれる。
悠ちゃんが運転席に回り込んでくる間。
(な、なにこのいい匂い…!神の領域?!ここは天国ですか?!)
ふわりと車内に漂う、大人のいい香りを胸いっぱいに嗅ぐ。
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