【君と同じで】

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「ははっ、そうだよな。ちゃんと成果出てるぞ。頑張ったな」 頬杖をついて、サトタツと小山が笑い合う姿をぼうっと眺める。 小山に答案が返され、次に真田の名前が呼ばれた。 「すげぇじゃん、真田。俺が高校生の時、この範囲欠点ギリギリだったぞ」 「部活ばっかりしてるからだよ。そんなんでよく数学教師になったね」 「それには俺の血の滲む努力があってだな」 「わかったから早くテスト返して」 真田とサトタツのテンポの良い掛け合いが、教室中を笑いに包む。 サバサバとした物言いの真田に対し、サトタツは唇を尖らせて拗ねた素振りを見せた。 が、テストを受け取るなり見向きもせずに座席に戻っていく真田。 「次、篠原ー」 「へーい」 「……ノーコメントだ。受け取れ」 「なんだよそれー」
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