儚げど、我は散る (140字短編)

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 雪が降ってきた。  もし彼らに命があるのならば、蟬より短い寿命だ。  かるい彼らは落下の衝撃は少ないだろう。  それでもきっと落ちると痛い。  私の手に落ちた彼は熱い湯を浴びたように、一瞬で儚い生涯を閉じた。  私は彼を殺めたのだろうか。  冬の妖精たちも、そう考えるとなんだか切ない。
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