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開幕
そんなある日、それはまだ
ニッコが美術部に入部する前の話だ。
普段通り部活に行くと、
見知らぬ先輩がいる。
彼女は、その日入部したばかりだそうだ。
その先輩は、中国人で、日本語もぎこちない。
私は特になんとも思わずに、一種の《友達》
として接していた。
しかし、同級生にその先輩(以下、先輩とする)
を知っていて、よく会話をする女子がいた。
ある日突然、その女子に
「あんた今日先輩に告られんで」
と言われた。
訳がわからないまま、美術部へ足を運ぶ。
すると、先輩が、なにやら
頑張れ、などと言われている。
そこでようやく理解した。
それから、恐らく告白する勇気が
無かったのだろう。
今現在に至るまで、何も言われていない。
この時はまだ、先輩から、
ニッコと二人で逃げ回るなどとは
思いもしなかった
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