母子

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咲子二十歳、私の人生最後の学生生活の日は晴れだった。暑い日差しを受けながら、家までの帰り道を歩いた。学校は楽しかったと思う。やりたかった被服の勉強をしながら、学生らしく遊んだりもした。それでも、続かなかったのは、他に楽しいこと、人生のきらめきを見つけてしまったからだ。彼は学校の卒業生で、もうその道の仕事をしていた。彼は先生に頼まれて、卒業生代表として月に一度半年間の間だけ学校に通ってきていた。学生たちは自分もあの人のように、と憧れてる子もいたし、気にしない子もいた。だけど、私にとっては違った。髭の残った顎や、ぼさぼさでまとめられていない髪の毛、それでいて女の子みたいに綺麗な手先、何もかもが気になった。
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